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代理母について思う

今、また話題になっていますね。生命の誕生はおめでたいことです。明るい話題です。

デリケートな問題で、簡単には語ることができませんが、個人的な想いを書いてみます。

私は心の中に両方の想いがあります。賛否どちらも。

 

病気、不妊・不育症・流産、たくさん苦悩し、もうその選択肢しかない、追い込まれて 考え抜いた末の決断でしょう。後からの批判・困難もすべて受け入れての決断でしょう。

だから、その勇気に拍手を、祝福したい気持ちです。赤ちゃんには幸せになってほしい。それでも、反対な気持ちがやはりあるのです。矛盾しているでしょうか。

 

もちろん、1000万とも言われていて、高額な費用がかかり、選択肢に入ることすらできない夫婦が多い。経済面の条件があって出来ることですが、それは、その夫婦の環境、積み上げたものです。

法的に整備がされていない。実子とならない。産まれた子供が障害児だった、代理母が引き渡しを拒否したら、様々な現実的な問題ももあるでしょう。

 

でも、私が一番思うのは、代理母のリスクです。妊娠・出産は奇跡的なことで命がけだから。

新しい命がどうしても欲しいからと言って、それをお金、ビジネスでやっていいのかと どうしても思ってしまいます。需要と供給が成り立てばビジネスとなります。でも、この境界線は超えてはいけない気がするんです。

赤ちゃん、命は授かりもので、何が何でも手に入れるようなものではなく、時として、諦めなければいけないものだと思うんです。

 

他の不妊治療とは違う。代理母の命がかかっています。どうしても、遺伝子を残したい気持ちもわかります。血縁にこだわる気持ち。それも、わが子を持ち、わかるんです。

結婚7年目に生まれた一人娘がいます。流産もしています。子供がいない人生も楽しいって何度も思おうとした。でも、それは奇麗ごとで、周りが羨ましく、妬ましく、どうしても血の繋がったわが子を抱きたいと思った。

それは女性の本能だと思う。だから、どうしても愛する人と自分の遺伝子を残したいという気持ち、代理母という選択肢を選ぶ気持ちは 誰も非難することもできないとも思う。

 

里親・養子と言う選択肢もある。世の中には事情により親のいない子もいて、血の繋がりだけの親子関係に こだわることではないという意見もあるでしょう。でも、それも奇麗ごとで、私自身、そんな立派な人間ではなく、できる自信がありません。

 

経産婦で満32歳以下の女性が代理母の条件です。リスクを減らすためです。10ヶ月もの間、お腹で育てて出産することは、大変な心身のリスクを負う。万が一の事態が起きたら…代理母にも子供がいる。家族がいる。責任は取れるのでしょうか。

 

産後だって、元の身体に戻れるとは限らない。私自身、産後に体質が変わった。病院に通うことになった。そういうのも含めて、一人の若い女性の人生に代償を負わせている。

ホルモンバランスも変わる。お腹の中で育て、命がけで出産した子を手放すことになる。身体や心の変化は母親となっている。契約とは言え、どんな思いなのか、考えると、それがいいことなのか わからない。

お金の為ではなく、不妊の夫婦の方の役に立ちたいという素晴らしい思いだとして、そんな素晴らしい女性の命をかけてまで って思うのです。

 

自分の子供がいるから そんなことが言えるのでしょうと言われればそれまでです。ただ、出産を経験したから、逆にそう思うんです。

無責任に子供を妊娠し中絶している人達もいる。育児放棄をしている親もいる。子供を真摯に望む夫婦のもとに赤ちゃんが授かるのは素晴らしいことです。

代理母を望むぐらいだから、きっと責任を持ち赤ちゃんも幸せにすると思います。子供は複雑な気持ちを抱くかもしれないけど、それでも乗り超えていく覚悟と絆がある夫婦なんだと思う。

反対と言うより、新しい命を産み出すために、一人の女性の命をかけてやるという選択肢にいろいろと考えてしまいます。

 

また、不妊治療を始めた年齢に関する意見を見ました。確かに、キャリアを積み重ねて結婚が遅くなり、妊娠する可能性が低くなる。流産の可能性も高くなります。

でも、だからと言って、女性だけを責めるのはおかしい。本当に一緒に人生を歩みたい人が、子供が欲しいと思える縁があったのが、その歳になってしまったのだと思います。

 

人生には どうしても欲しくても手に入れられないものもある。どこまで選択肢があるのか。難しいです。

 

無事に産まれて良かったです。おめでとうございます。

 

最後にニュースの中で印象に残った文を引用します。背負っているものの大きさと覚悟を感じました。

代理母出産を公表したことについて「こういうメディアに出させていただくお仕事をしている以上は、公表しないで隠してこれからの生活を続けていくというのは不可能に近いだろうなという思いもありましたし、自分はこういう結果になりましたけど、この後につづくみなさんの思いも多少は背負って生きていくのが筋だろうなと思いました」

参考 有村昆「悩んだ…」代理母出産後、丸岡いずみと号泣日刊スポーツ